PET-CT検査

【PET-CT(ペット シーティー)検査について】

 PETとはpositron emission tomography (陽電子放出断層撮影) の略です。

がん等の腫瘍の大きさや場所の特定、良性・悪性の区別、転移や再発の診断、治療効果の判定などに利用されている検査です。また、アルツハイマー病やてんかん、心筋梗塞を調べることにも使われています。

これまで飛騨地域にはPET-CT検査が可能な施設がなく、検査が必要な方は遠方の施設へ行っていただくしか手段がありませんでした。そこで当院は2012年6月よりPET-CT装置を導入し、飛騨地域で初めてPET検査を行うことができる施設となりました。

 

【検査方法】

まず、「ブドウ糖に近い成分の物質」と「放射線を出す物質」を合成させた薬剤(FDG)を体内に注射します。
がんや良性腫瘍・炎症といった異常な細胞は、正常な細胞よりも活動が活発で、ブドウ糖を多く消費する特徴があります。その特徴を利用し、ブドウ糖が多く消費されている異常臓器を、薬剤(FDG)から放出される放射線をたよりに専用装置で検出します。つまり、身体のなかでブドウ糖がより消費されている細胞を見つけ出すということです。また、当院はPET検査と同時にCT検査も行い、双方の画像を重ね合わせすることで精度を向上させ、異常臓器をより詳しく鮮明に描出しています。

 

  1. 肺がんの転移検索で新たに大腸がんが見つかった。(重複がん)

左画像:光っているように見える場所が肺がん

右画像:光っているように見える場所が、見つかったがん

 

 

  1. 乳がんの転移検索で腋窩リンパ節への転移が見つかった。

左画像:光っているように見える場所が乳がん
右画像:わずかに小さな赤色が見える場所が、リンパ節への転移

【検査に関する注意点】
◆前処置
  1. 食事(糖分が加えられたの飲み物も含む)は検査4時間前までに済ませてください。それ以降は絶食です。
    食事をするとブドウ糖の影響で血糖値上昇やインシュリンの分泌などがあり、薬剤が正しく消費されなくなります。
  2. 前日から激しい運動を控えてください。運動をすると筋肉がブドウ糖を必要とし、薬剤の多くが筋肉で消費されてしまうためです。

※これらの前処置を怠った場合、検査を行うことができません。

 

◆被ばくについて

ご本人:検査による被ばくでがん罹患の可能性は極めて低いので安心していただいて結構です。
因みにPET-CT検査を行なった場合の被ばくは、胃部検査(バリウム)と肺CT検査を行った程度と同じです。

ご家族:この検査は、放射線の出る薬剤を体内に注射するため、お家に帰っても少し放射線が出ています。
よって注射後12時間は、妊婦や子供(10歳以下)との接触は控える必要があります。
※詳しくはお問い合わせ下さい。

 

◆糖尿病の方の検査について

PET-CT検査は、糖尿病の方でも受けることが可能です。
但し下記に該当するかたは、検査を行っても1)薬剤が正しい細胞で消費されない場合があるために注意が必要となります。

 

  1. 空腹時の血糖値が150〜200ml/dlの方

主治医との相談が必要です。また場合によっては血糖値のコントロールがなされた後に受けていただきます。

 

  1. 空腹時の血糖値が200ml/dl以上の方

原則1)理由により正しい検査ができない可能性が高いため、主治医と検査の可否を検討する必要があります。
注)尚、人間ドック(健診)では、糖尿病の方のPETは受け付けておりません。

 

【検査費用】

PET-CT検査は保険適用要件が厳しく設定されているため、適応外ですと自己負担額は10万円ほど必要です。
しかし、症状のある方やがん等と診断されたことのある方はほとんどの場合保険適応となります。要件さえ一致すれば、3割負担のかたで約3万円、1割負担のかたで約1万円となります。
※詳しくはお問い合わせ下さい。

 

【問合せ先】

久美愛厚生病院 代表
TEL:0577-32-1115

 

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