飛騨の暮らしと健康だより~久美愛メディカル通信~

2026年1月

vol.1

耳掃除の正解って?やりすぎトラブルが増えています

耳は定期的に掃除しないといけない、と思っている方、多いのではないでしょうか。

でも実は、その常識がトラブルのもとになることもあるんです。

耳の中には耳垢と呼ばれる分泌物があります。これは、外から入ってくるほこりや細菌を防ぐバリアのような役割をしており、少しずつ自然に外へ押し出される仕組みになっています。つまり、無理に掃除しなくても、耳は自分でキレイを保てるんです。

ところが最近、耳掃除のやりすぎで耳を痛めてしまう方が増えています。綿棒や耳かきを深く入れすぎると、耳の皮膚を傷つけて外耳炎を起こしたり、耳垢を奥に押し込んで耳垢栓塞という詰まりを作ってしまうこともあります。特にお子さんの耳は皮膚が薄く、刺激に弱いので要注意です。

ちなみに、耳垢のタイプは「ABCC11」という遺伝子で決まることが分かっています。日本人の約8~9割は乾いたタイプ(乾性耳垢)で、湿ったタイプ(粘性耳垢)は約1〜2割ほど。タイプによって耳垢のたまり方も異なるため、掃除の頻度も変わります。乾いた耳垢の方は1~2か月に一度、耳の入り口を軽く拭く程度で十分。湿ったタイプの方でも、月に1回くらいでOKです。耳垢がたまりやすい方やお子さんの場合は、自分で行わず、数か月に1度耳鼻科で取ってもらうのがおすすめです。

清潔にしたいからと毎日掃除してしまう方もいますが、それは逆効果。耳の中をピカピカにする必要はありません。触りすぎると外耳炎の原因になります。もし耳がかゆい、詰まった感じがする、聞こえづらいなどの症状があれば、早めに耳鼻科で相談しましょう。

この記事を書いた人

耳鼻咽喉科部長

高畠 隆

所属

飛騨医療センター 久美愛厚生病院